NITEP holds joint seminars with the OCU Research Group for Mathematical Physics and with the Particle Theory Laboratory.
GIT商の量子コホモロジーと爆発公式 indico link
日時:2024年7月4日(木)16:00-17:30
場所:大阪公立大学杉本キャンパス、理学部F棟4階 数学中講究室(F415)
講演者:入谷 寛 氏(京大理)
題目:GIT商の量子コホモロジーと爆発公式
要旨:量子コホモロジーは射影多様体(あるいはシンプレクティック多様体)の中の有理曲線を数えることにより得られるコホモロジー環の変形族である.量子コホモロジーは変形パラメータに関する解析接続を通じて,その多様体の双有理幾何学と深い関係がある.本講演では,GIT商の量子コホモロジーが元の多様体の同変量子コホモロジーのフーリエ変換として得られる,というTelemanの予想(のD加群版)について紹介し,それを用いた量子コホモロジーの爆発公式(量子コホモロジーD加群の形式的分解)の証明について解説する.
Building a Black Hole from Instantons indico link
日時:2024年6月20日(木)16:00-17:30
場所:大阪公立大学杉本キャンパス、理学部E棟4階 数学大講究室(E408)
講演者:Nick Dorey氏(ケンブリッジ大学DAMTP)
題目:Building a Black Hole from Instantons
要旨:TBA
The hidden conformal symmetry of AdS2xS2 correlators indico link
日時:5月16日(木)3限
教室:第9講義室(E101)
講演者:Michele Santagata
Title: The hidden conformal symmetry of AdS2xS2 correlators
Abstract: Correlators of a certain one-dimensional superconformal field theory dual to scattering of hypermultiplets in AdS2×S2 exhibit a hidden four-dimensional conformal symmetry which allows one to repackage all tree-level 4-point correlators into a single four-dimensional object corresponding to a contact diagram arising from a massless φ^4 theory in AdS2×S2. This theory serves as a toy model for IIB string theory in AdS5×S5 and is interesting in its own right because AdS2xS2 describes the near-horizon limit of extremal black holes in four dimensions.
In this talk, I will argue that all 4-point one-loop correlators, after acting with the SU(1,1)×SU(2) Casimir, can similarly be recast in terms of a four-dimensional function which arises from a one-loop scalar bubble diagram in AdS2xS2. Finally, I will present a new scalar effective field theory with a derivative interaction in AdS2×S2 whose Witten diagrams should directly reproduce 4-point correlators to all loops without acting with Casimirs.
The talk is based on a recent work (https://arxiv.org/abs/2312.15678) in collaboration with Paul Heslop and Arthur Lipstein.
magnetized torus と離散対称性 indico link
日時 : 2024年05月09日(13:15--14:45)、10日(13:15--14:45)
講演者 : 上村尚平 氏(大阪公立大学)
題目 : magnetized torus と離散対称性
アブストラクト:素粒子の標準模型は現在観測されているほとんどの観測結果と明確には矛盾しておらず、電弱スケールより下の物理をうまく記述していると考えられている。しかし、標準模型には重力の量子論が含まれていなかったり、パラメータに不自然な階層性があるなどの疑問点あることが知られており、宇宙の究極の理論ではないと思われる。
重力の量子論として最も有力だと考えられているのが超弦理論である。超弦理論は10次元時空上を運動する弦の力学であり、余剰6次元をコンパクト化する事によって、有効理論として4次元の場の理論が得られる。超弦理論の4次元有効理論がどんなものであり、どうすれば計算できるのだろうか?
このセミナーではまず magnetized torus という手法をレビューし、超弦理論からどのように4次元有効理論が得られるかを紹介する。
この手法を用いると4次元有効理論に摂動的な離散対称性が現れることを示すことができる。離散対称性には様々なものがあるが、特に近年、モジュラー対称性と呼ばれるものが現象論で注目されている。
これは4次元有効理論がコンパクト空間のモジュライのモジュラー変換のもとで不変であるという性質であり、この対称性を課すことで、自然に標準模型のフレーバー構造を実現できるのではないかと考えられている。
我々は magnetized torus の場合について理論のモジュラー対称性について考えた。さらにモジュラー対称性を課すことで自然に Froggatt-Nielsen 模型的な質量行列を実現し、クォークのフレーバー構造を実現できる模型を構築した。また、可能ならばどのように6次元の余剰次元を力学的に安定化させるかや、最近考えているCP対称性などについても話したい。
ボルツマンとボゴリューボフ -宇宙初期の重力的粒子生成をめぐって- indico link
日時 : 2023年11月27日 9:00~
講演者 : 金田 邦雄 氏(阪大)
題目 : ボルツマンとボゴリューボフ -宇宙初期の重力的粒子生成をめぐって-
アブストラクト:
重力は自然界で最も弱い相互作用でありながら、宇宙初期における粒子の生成源として重要な役割を果たす。暗黒物質を含むすべての粒子は、インフレーションの終了後に必ず重力によって生成される。この生成プロセスを探るために、ボルツマンとボゴリューボフのアプローチとして知られる2つの異なるが確立された手法が用いられてきた。前者は暗黒物質の現象論的研究に広く用いられており、後者は曲がった時空での粒子生成を記述するために開発されたものである。しかし、これらのアプローチの物理的な対応関係は一見して明らかでなく、特に暗黒物質の生成機構において近年混乱があった。本講演では、スカラー粒子の純粋な重力的生成における両者の等価性を調べることで、これらのアプローチが同じ物理現象を正確に記述しているかどうか議論する。
機械学習の物理学への応用について indico link
日時 : 2023年11月20日 9:00~
講演者 : 田中 章詞氏(理研)
題目 : 機械学習の物理学への応用について
アブストラクト:
本講演では機械学習の物理学への応用について、私の目から見た近年の動向を説明したいと思います。内容についてはまず、機械学習における基本原理、汎化と帰納バイアス、モデル選択などを説明したのち、物理学における具体的な応用事例について私自身の過去の研究を含め説明する予定です。
"Quantum Phase Transitions and Solving the Naturalness Problem in Generalized Field Theories." indico link
Informal seminar
日時:7月25日(火)15:30〜
場所:F216 (第8講義室)
Speaker: Hikaru KAWAI(National Taiwan University)
Title: "Quantum Phase Transitions and Solving the Naturalness Problem in Generalized Field Theories."
Abstract: In ordinary statistical mechanics, the extensive parameters (such as total volume and total energy) are more fundamental than the intensive parameters (such as temperature and pressure) in the sense that the latter are determined a posteriori by the former in the large volume limit. Furthermore, in a finite region of the extensive parameter space, the corresponding intensive parameters are automatically fixed to the first-order phase transition point.
Analogously, in conventional quantum field theory, coupling constants (including masses) in the path integral correspond to intensive parameters in the partition function of the canonical formulation. Therefore, it is natural to expect that in a more fundamental formulation of quantum field theory, coupling constants are dynamically fixed a posteriori in the large-volume limit, just as the intensive parameter in statistical mechanics.
In generalized field theories, we argue that an automatic fine-tuning is realized in which the coupling constant is fixed at the quantum phase transition point at zero temperature. This occurs even if the transition is of higher order due to the Lorentzian nature of the path integral.
This can be the basis for solving the naturalness problem.
Moduli Fixing and D-term Uplifts of One-loop Potentials in Non-Supersymmetric Heterotic String Models indico link
日時: 2023年7月14日(金) 11:00〜
場所:第1講義室
Speaker: Benjamin Percival (University of Liverpool)
Title: Moduli Fixing and D-term Uplifts of One-loop Potentials in Non-Supersymmetric Heterotic String Models
Abstract: Within the free fermionic classification methodology of Z2 × Z2 heterotic strings, different avenues towards non-supersymmetric models are discussed. Some aspects of classifying asymmetric models are discussed, in particular the relation of moduli fixing to obtaining certain desirable phenomenological criteria. We explain the methodology that allows for the analysis of the Fayet-Iliopoulos D-term and the one-loop potential for such models, first for symmetric Z2 x Z2 orbifolds and then how this can be extended to the asymmetric case in which some internal moduli are fixed. We show examples of Z2 x Z2 non-supersymmetric symmetric orbifolds that exhibit a D-term uplift of their one-loop potential. We demonstrate this for models both in which the SUSY is broken spontaneously via Scherk-Schwarz, as well as explicit breaking.
非可逆的対称性について indico link
日時 : 2023年7月12日(水) 9:00~
講演者 :大森寛太郎氏(東大)
題目 : 非可逆的対称性について
アブストラクト:対称性は理論物理学で重要な役割を果たすが、近年この対称性を一般化することで対称性に依拠した手法の適用範囲を広げようという試みが広くなされている。本トークではこのうち非可逆的対称性と呼ばれるものを中心に解説し、まず1+1次元イジング模型における例を見た後、これが3+1次元の種々のゲージ理論に現れることを見る。
弦の散乱における過渡的カオス解析 indico link
日時 : 2023年6月21日(水) 9:00~
講演者: 世田拓也氏(京大基研)
題目: 弦の散乱における過渡的カオス解析
アブストラクト:古くから、高く励起された弦は自重で潰れてブラックホールに転移すると考えられて来た。一方で近年、ブラックホールはカオスで特徴づけられる事が分かって来た。これらを踏まえると、弦が何らかの形でブラックホールカオスの源になっていると考えられる。本講演では、高く励起された弦の散乱のカオス性について議論する。実際には入射角と散乱角のプロットにおけるフラクタル性や、弦の散乱領域の構造に注目する。その結果、少なくとも現時点では(ボソン弦の4点散乱振幅、ツリーレベル)カオスが確認できていないが、ループ補正を入れた場合や別のセットアップでカオスが出る可能性について議論する。
量子性とは何だろう indico link
日時 : 2023年5月29日(月) 9:00~
講演者 : 谷村省吾氏(名古屋大学)
題目 : 量子性とは何だろう
アブストラクト:物理学者にとって量子力学と古典力学の違いは重要だと思われますが、何をもって量子的と言うのでしょうか? 量子性(quantumness)とは、エネルギーが飛び飛びの離散的な値をとることでしょうか? 確率的な振る舞いのことでしょうか? 重ね合わせ状態でしょうか? 干渉効果でしょうか? 不確定性関係でしょうか? 摂動論のループ積分のことでしょうか? 量子論にはさまざまな特徴がありますが、ここでは、文脈依存性(contextuality)と呼ばれる特徴を解説したいと思います。文脈依存性は「物理量の値の実在性が、物理量を測るやり方に依存する」という奇妙な性質であり、量子力学的物理量が非可換演算子であることに起因します。ベルの不等式は「測定方法に依存しない物理量の値が実在する」という仮定から導かれる不等式ですが、量子論はベルの不等式が破れうることを示唆します。2022年のノーベル物理学賞は、ベルの不等式の破れを実験実証した3人の物理学者に贈られました。その問題設定と発見の意義を解説したいと思います。
参考資料:https://www.phys.cs.i.nagoya-u.ac.jp/~tanimura/NobelPhys2022/overview.html
Noninvertible symmetries in higher-dimensional QFTs indico link
日時 : 2023年5月22日(月) 9:00~
講演者 : 谷崎佑弥氏(京大基研)
題目 : Noninvertible symmetries in higher-dimensional QFTs
アブストラクト:場の理論においてダイナミクスを直接解くことができないような強結合領域の物理を調べることは現代物理の大きなテーマの一つである。そのような手法の一つとして対称性の役割は大きく、物質の相の分類、対称性の自発的破れとそれに伴う低エネルギー定理、アノマリー釣り合い条件などはその主要な成果である。この場の理論における対称性はこの10年で大きく一般化され、上に挙げたような有用な性質は”トポロジカルな演算子”という概念から導かれることが認識されるようになってきた。このような一般化された対称性として、近年特に非可逆的対称性というものが注目されてきている。高次元場の理論における一般化された対称性に関して、簡単なレビューを含みながら私の研究内容をいくつか紹介をしたい。
暗黒物質の発見に向けて indico link
日時 : 2023年5月17日(水) 9:00~
講演者 : 中山和則氏(東北大学)
題目 : 暗黒物質の発見に向けて
アブストラクト:ミクロな世界を記述する物理法則として素粒子標準模型が大成功を収めているが、その一方で宇宙の物質の大部分を占める暗黒物質の正体は依然全く不明のままである。理論的には多種多様な暗黒物質の候補が挙げられており、それらの検出のためには従来の暗黒物質検出方法にとらわれない自由な発想が求められている。本講演では、こうした暗黒物質を巡る動向を概観し、さらに最近提案されている物性物理の特徴を活かした暗黒物質の検出方法について紹介する。
Axion Fragmentation indico link
日時 : 2023年5月10日(水) 9:30~
講演者 : 佐藤亮介氏(大阪大学)
題目 : Axion Fragmentation
アブストラクト:Axion (およびaxion like particle) は素粒子模型にしばしばあらわれる、周期的ポテンシャルを持つ軽い擬スカラー粒子である。Axionの一様成分が初期宇宙などで十分大きな運動エネルギーを持っていた場合、一様成分が一定の速度を保ちポテンシャルを乗り越え転がり続けることができる。この過程において、一種の共鳴現象が起きることにより、Axionの空間的な揺らぎが指数関数的に成長し、axionの一様成分から運動エネルギーを奪うことができる。本講演では、この現象を"axion fragmentation"と呼ぶことにし、摂動的な解析計算と非摂動的な数値計算により議論する。
素粒子実験への機械学習適用 indico link
日時 : 2023年1月11日(水) 9:00~
講演者 : 岩崎昌子氏(大阪公立大学)
題目 : 素粒子実験への機械学習適用
アブストラクト:近年、大型加速器を用いた素粒子実験への機械学習の適用開発が、活発に行われるようになった。機械学習、深層学習は、情報分野における最先端データ処理技術である。大量データから得られる情報を使って、データの「モデル」(入力変数と出力変数の関係性の記述)を構築することができる。あらかじめ明確なモデルを用意しなくても、様々なデータ処理が可能になる、という特徴がある。この特徴を活かすことで、従来よりも、高速、高効率、高性能なデータ処理が、期待されている。特に、近年の機械学習技術の発展により、低特徴データ(=生データ、またはそれに近いデータ)を用いた機械学習も可能になった。低特徴データを用いることで、より高精度な「モデル」構築が可能になり、より高性能なデータ処理が期待されている。本講演では、機械学習の簡単な導入、および、現在進めている、大型加速器を用いた素粒子実験への機械学習の適用開発状況を紹介する。
ブラックホールと超弦理論 indico link
日時 : 2022年8月1日(月) 9:00~
講演者 : 飯塚 則裕 氏(大阪大)
題目 : ブラックホールと超弦理論
場所: Zoom
宇宙の(暗黒)物質の起源と非位相的ソリトンについて: Affleck-Dine baryogenesis and Q-ball indico link
日時 : 2022年7月13日(水) 9:00~
講演者 : 山田 將樹 氏(東北大)
題目 : 宇宙の(暗黒)物質の起源と非位相的ソリトンについて: Affleck-Dine baryogenesis and Q-ball
場所 : Zoom
概要 :
宇宙の物質の起源を説明する機構として、アフレックダイン機構というメカニズムが提案されている。これは特に超対称性理論で自然に働き、その場合Q-ballと呼ばれる非位相的ソリトンを形成する場合がある。このQ-ballがクォークと軽い超対称性粒子に崩壊することで物質と暗黒物質を同時に生成することができ、それらの間の存在量が観測的におおよそ一致していることが説明される。また、宇宙論の別の文脈ではoscillonと呼ばれる準安定なスカラー場の配位が形成されることがあるが、それをQ-ballと同様に記述する理論を説明し、その崩壊率の導出方法を解説する。
宇宙の物質の起源と輸送方程式について: Spontaneous/wash-in baryogenesis indico link
日時 : 2022年7月6日(水) 9:00~
講演者 : 山田 將樹 氏(東北大)
題目 : 宇宙の物質の起源と輸送方程式について: Spontaneous/wash-in baryogenesis
場所:Zoom
概要 :
我々を構成している物質がどのようにして作られたのか、という疑問は宇宙論の未解決問題として残されている。これは物質と反物質の存在量に非対称性があることを意味しており、これを生み出すためにはサハロフの三条件と呼ばれる三つの必要条件を同時に満たす必要がある。本講演では素粒子標準理論における保存量の輸送方程式に注目し、そこにどのような効果が加わればサハロフの三条件を満たすことができるかを説明する。それを用いて、wash-in leptogenesisという新しい物質の生成メカニズムが働くことを見る。
ブラックホールの情報パラドクスと量子情報 --量子カオス系の量子誤り訂正-- indico link
日時 : 2022年7月4日(月) 9:00~
講演者 : 中田 芳史 氏(東京大)
題目 : ブラックホールの情報パラドクスと量子情報 --量子カオス系の量子誤り訂正--
場所:Zoom
概要 :
ブラックホールの情報パラドクスは素粒子物理学における長年の未解決問題である。近年、ホログラフィ原理の理解が進むにつれて、量子情報の手法を用いたより精密な解析がなされるようになった。そのきっかけがHayden-Preskill模型[1]と呼ばれる量子情報的な玩具模型であり、様々な仮定(特に、量子ブラックホールは量子力学的に記述され、かつ、そのユニタリ時間発展は十分量子カオス的という仮定)の下で、量子ブラックホール内の量子情報は少量のホーキング放射から復元できることが示唆された。その導出の肝が、「量子カオス的なダイナミクスが誘起する量子誤り訂正」である。本セミナーでは、Hayden-Preskill模型を舞台として、量子カオスと量子誤り訂正の関係を概観し、その後、系の対称性による影響[2]や、放射から量子情報を復元する具体的な手法[3]、量子カオスと情報スクランブリングの関係[4]について説明したい。本セミナーのほとんどは量子情報的な模型に基づくものだが、最後に、量子ブラックホールとの繋がり等について意見交換できれば幸いと考えている。
[1] P.Hayden and J. Preskill, JHEP 2007:120.
[2] Y. Nakata, E. Wakakuwa, and M. Koashi, arXiv:2007.00895 (2020).
[3] Y. Nakata, T. Matsuura, and M. Koashi, in preparation.
[4] Y. Nakata and M. Tezuka, in preparation.
量子重力のスワンプランド予想 indico link
日時 : 2022年6月27日(月) 9:00~
講演者 : 濱田 雄太 氏(KEK)
題目 : 量子重力のスワンプランド予想
場所 : Zoom
概要 : 量子重力理論は、低エネルギー有効理論に非自明な制限を出すと考えられている(スワンプランド予想)。このセミナーでは、量子重力のスワンプランド予想の幾つかについての紹介と、ブラックホール物理との関わりをお話ししたいと思います。
Probing the early Universe with 21cm line indico link
日時 : 2022年6月22日(水) 9:00~
講演者 : 高橋 智 氏(佐賀大)
題目 : Probing the early Universe with 21cm line
場所: Zoom
概要 :
The redshifted 21cm line of neutral hydrogen is considered a very useful probe of various aspects of the Universe. In this talk, I will focus on how the 21cm line can be used to probe the physics of the early Universe. First, the basics of cosmology using 21cm line is reviewed, and then followed by discussion of some specific examples such as the 21cm line as a probe of the inflationary Universe. The impact of current and future observations of the 21cm line on our understanding of the early Universe will also be discussed.
CFT duals of three-dimensional de Sitter gravity indico link
日時 : 2022年6月13日(月) 9:00~
講演者 : 西岡 辰磨 氏(大阪大)
題目 : CFT duals of three-dimensional de Sitter gravity
場所: Zoom
概要 :
We present a class of dS/CFT correspondence between two-dimensional CFTs and three-dimensional de Sitter spaces. We argue that such a CFT includes an SU(2) WZW model in the critical level limit k → -2, which corresponds to the classical gravity limit. We can generalize this dS/CFT by considering the SU(N) WZW model in the critical level limit k →-N, dual to the higher spin gravity on a three-dimensional de Sitter space. We confirm that under this proposed duality the classical partition function in the gravity side can be reproduced from CFT calculations.
Monopole bubbling and BPS 't Hooft operators in three, four, and five dimensions indico link
日時:2021年11月12日(金) 午前10時
講演者:吉田 豊 氏(東大)
タイトル:Monopole bubbling and BPS 't Hooft operators in three, four, and five dimensions
アブストラクト: We evaluate the vacuum expectation values of half-BPS 't Hooft operators in supersymmetric gauge theories with eight supercharges in three, four, and five dimensions in terms of supersymmetric localization.
In localization formulas, there exist non-perturbative contributions from the moduli of Dirac monopoles screened by 't Hooft-Polyakov monopoles, called monopole bubbling effects (a.k.a. monopole screening effects). By introducing orientifolds, we generalize the brane construction of monopole bubbling effects for SU(N) gauge theories to SO(N) and USp(N) gauge theories.
Constructing Massive Scattering Amplitudes for Electroweak Effective Field Theory indico link
日時:2021年10月29日(金) 午前10時 講演者:北原 鉄平氏(名古屋大) タイトル:Constructing Massive Scattering Amplitudes for Electroweak Effective Field Theory アブストラクト: Usual calculation for quantum field theory relies on Lagrangian under a certain symmetry. Then, one can obtain amplitudes by taking Feynman rules and diagrams. In contrast, a method called ''scattering amplitudes'' (also called on-shell amplitudes, modern amplitude method, or spinor-helicity formalism) directly provides the amplitudes from symmetries without relying on Lagrangian. For example, calculations of gluon n-point scattering amplitudes can be greatly reduced in this method. This approach is expected to extract some essences in quantum field theory, which are not obvious in the usual Feynman methods. Basically, conventional scattering amplitudes are methods for the massless theory. From 2017, this method has been generalized to involve any-spin massive particles by Nima Arkani-Hamed group. In this talk, first, I will provide a brief review of the massless and massive scattering amplitudes. Next, I will introduce the scattering amplitude calculations connected with electroweak symmetry breaking, which are related to masses, vev, and longitudinal waves. In particular, we do not use the standard model Lagrangian. We derived (strictly speaking, we re-derived) several equations for electroweak symmetry breaking that are supposed to be inherent in field theory. Also, in such a bottom-up approach, we present the systematic derivation of independent three-point and four-point contact terms. This talk is based on arXiv:1909.10551 and arXiv:2008.09652.
M2-branes and discrete Painleve systems indico link
日時:2021年9月9日(木)9:00 〜
場所: Zoom講演
講演者:野坂 朋生 氏(SISSA)
タイトル:M2-branes and discrete Painleve systems
Non-Local extension of the Standard Model indico link
日時:2021年8月5日(木) 午前10時 講演者:岡田 宣親氏(アラバマ大) タイトル:Non-Local extension of the Standard Model アブストラクト:In this talk, I will discuss a non-local extension of quantum field theory with an infinite series of derivatives in the kinetic terms of the fields. I will show that this modification provides us withinteresting phenomenology once applied to the Standard Model of particle physics.
Swampland conjectures and gravitational positivity indico link
日時:2021年7月1日(木)10:00 〜
場所: Zoom講演
講演者:野海 俊文 氏(神戸大)
タイトル:Swampland conjectures and gravitational positivity
アブストラクト:
The goal of the Swampland program is to identify consistency conditions for a gravitational effective theory to have a consistent UV completion and clarify their phenomenological implications toward quantum gravity phenomenology. In the first half of the talk, I will provide an introduction to the Swampland program, especially focusing on the so-called Weak Gravity Conjecture. In the latter half, I will introduce our recent attempts toward its derivation based on consistency of scattering amplitudes.
Peculiar relations between Argyres-Douglas theories and Lagrangian theories indico link
日時 : 2021年5月13日(木) 10:00~ 場所 : Zoom講演 題目 : Peculiar relations between Argyres-Douglas theories and Lagrangian theories 講演者 : 西中 崇博 (大阪市大) 概要 : Argyres-Douglas(AD)理論はあるクラスの4次元N=2共形場理論の総称で、 弱結合極限を持たないため通常の手法では解析できず、その性質の多くは謎に包まれている。 しかし近年の研究により、AD理論と通常のゲージ理論の間に非自明な関係があることが明らかに なっている。この関係の詳細が分かれば、通常のゲージ理論の知識を用いてAD理論の物理を 解明することができるかもしれない。このトークでは、ゲージ化されたAD理論と通常のゲージ理論 の新しい関係について、超共形指数とネクラソフ分配関数の観点から議論する。
Modeling evolution of dark matter substructure and annihilation boost indico link
日時 : 2020年12月1日(火) 16:30~
場所 : F205(理学部F棟 第4講義室)
題目 : Modeling evolution of dark matter substructure and annihilation boost
講演者 : 広島 渚 (富山大)
概要 : We study evolution of dark matter substructures, especially how they lose the mass and change density profile after they fall in gravitational potential of larger host halos. We develop an analytical prescription that models the subhalo mass evolution and calibrate it to results of N-body numerical simulations of various scales from very small (Earth size) to large (galaxies to clusters) halos. We then combine the results with halo accretion histories, and calculate the subhalo mass function that is physically motivated down to Earth-mass scales. Our results --- valid for arbitrary host masses and redshifts --- show reasonable agreement with those of numerical simulations at resolved scales. Our analytical model also enables self-consistent calculations of the boost factor of dark matter annihilation, which we find to increase from tens of percent at the smallest (Earth) and intermediate (dwarfs) masses to a factor of several at galaxy size, and to become as large as a factor of ∼10 for the largest halos (clusters) at small redshifts. The effects of the boost on the WIMP search using isotropic gamma-ray background observations are also discussed.
Matrix-valued higher spin holography indico link
日時 : 2019年11月26日(火) 16:30~
場所 : F205(理学部F棟 第4講義室)
題目 : Matrix-valued higher spin holography
講演者 :疋田 泰章 氏 (京大基研)
高階スピン重力は超弦理論の高エネルギー極限の記述に有用であると期待されている。ところが、典型的な高階スピン重力には各スピンに一種類しかゲージ場がなく、超弦理論の膨大な高階スピン状態を説明するには全く自由度が足りない。ラージNのヤンミルズ理論が弦の状態数を説明できるように、高階スピン重力を行列化することが有用とされている。ここでは、3次元の行列化された高階スピン重力を用いたAdS/CFT対応の提案を行う。さらに、対称性の対応の検証を量子重力の効果も含んだ形で行う。
Catalytic Creation of Baby Bubble Universe with Small Positive Cosmological Constant indico link
日時 : 2019年11月12日(火) 16:30~
場所 : F205(理学部F棟 第4講義室)
題目 : Catalytic Creation of Baby Bubble Universe with Small Positive Cosmological Constant
講演者 :大河内 豊 氏 (九州大学)
本講演では、準安定な5次元時空が崩壊する際に生じるバブル上 の4次元時空を考える。この4次元時空において、真空崩壊の触媒 効果を利用することで、小さな宇宙定数がファインチューニングなしに 説明出来ることを示す。近年の弦理論の発展により提案されたこの モデルでは、5次元時空にブラックホールとストリングクラウドが存在する。 この影響が4次元バブル上では、放射と物質と解釈されることが知られ ている。我々は、現在の放射と物質の量をインプットとし、thin-wall 近似で解析することで、5次元の真空崩壊が自然と小さな正の宇宙 定数を選択することを見つけた。
Finite N corrections to the superconformal index from D3-brane analysis in AdS5/CFT4 indico link
日時 : 2019年10月15日(火) 16:30~
場所 : F205(理学部F棟 第4講義室)
題目 : Finite N corrections to the superconformal index from D3-brane analysis in AdS5/CFT4
講演者 :荒井 玲於奈 氏 (東工大)
In the context of the AdS/CFT, the Type IIB superstring theory on $AdS_5 \times SE_5$ corresponds to an $\mathcal{N}=1$ quiver gauge theory, where $SE_5$ is a five-dimensional Sasaki-Einstein manifold. We study this correspondence by using the superconformal index, which contains the information of the BPS spectrum in the theory. It is known that the index of the large $N$ limit is evaluated by the Kaluza-Klein modes on $SE_5$ and the agreement with CFT results was confirmed in many examples. In this talk, we consider the finite $N$ corrections to the index on the AdS side as a next step. To do this, we focus on a single D3-brane wrapped around a three-cycle on $SE_5$. Because there are in general several three-cycles on $SE_5$, we need to sum up contributions of these single D3-branes. By using the D3-brane analysis, we propose a prescription to calculate the finite $N$ corrections to the index on the AdS side. We explain our prescription through some examples and see the agreement with the CFT results calculated by the localization method.
Dark Matter Signals on a Laser Interferometer indico link
日時 : 2019年10月1日(火) 16:30~
場所 : F205(理学部F棟 第4講義室)
題目 : Dark Matter Signals on a Laser Interferometer
講演者 :土田 怜 氏 (大阪市立大学)
暗黒物質の有力候補のひとつであるWIMPsは、通常の物質と弱く 相互作用するため、稀にではあるがレーザー干渉計型重力波検出器 の鏡に衝突すると考えられる。この衝突により、鏡を懸架する振り子の 振動や鏡の弾性振動が励起され、生じた信号はレーザー干渉計に よって取得可能であることが期待される。本講演では、暗黒物質衝突に よる信号の大きさを見積もり、その結果を用いて暗黒物質と通常の物質 との相互作用断面積に与えられる制限について考察する。
Lepton-flavor violation via four-Fermi contact interactions at e+e- linear collider indico link
日時 : 2019年7月16日(火) 16:30~
場所 : F205(理学部F棟 第4講義室)
題目 : Lepton-flavor violation via four-Fermi contact interactions at e+e- linear collider
講演者 :曺 基哲 氏(お茶の水女子大学)
概要:レプトン・フレーバーの破れ(LFV) は標準模型を越える物理によって起こりうる 重要なシグナルの一つである。LFV相互作用を媒介する新粒子の質量スケールが コライダー実験で実現されるエネルギースケールよりも大きい場合、その寄与は4体 フェルミオン接触相互作用によって記述される。本講演では、LFVの破れを与える 模型の詳細によらない、低エネルギー有効理論としての4体フェルミオン接触相互 作用に対する、高エネルギーコライダー実験での探索可能性について紹介する。 従来、LFV相互作用の探索はBファクトリー実験に代表される、高精度実験に おいてなされてきたが、本講演では国際リニアコライダー計画(ILC)を想定し、そこ で期待されるLFV探索とBファクトリーでの探索を比較・検討した結果を議論する。
(拡張)ヒッグス場有効理論とその応用 indico link
日時 : 2019年6月25日(火) 16:30~
場所 : F205(理学部F棟 第4講義室)
題目 : (拡張)ヒッグス場有効理論とその応用
講演者 :長井 遼 氏(東京大学)
概要:本講演では、対称性の自発的破れ現象を記述する"非線形シグマ模型"の 構成方法を応用し、電弱対称性の自発的破れ現象を記述する有効理論 (ヒッグス場有効理論)を構成する。この有効理論では、ヒッグス粒子の相互 作用の構造が非線形シグマ模型の内部空間の構造(幾何や対称性)によって 特徴付けられ、その構造の詳細は電弱ゲージボソンやヒッグス粒子の精密測定 実験によって決定することができる。本講演では、まず、125GeVヒッグス粒子 に関する実験結果や、LEP実験における電弱精密測定の結果を振り返り、 それらが標準模型を超える、拡張ヒッグスセクターに対してどのような制限を与え ているかを整理する。また、それらの実験事実を踏まえ、これまでの実験結果と 無矛盾かつ、将来実験によって検証可能な拡張ヒッグスセクターの可能性に ついて議論する。(参考:arXiv:1904.07618 [hep-ph])
How to "cool down" Ising model on 2d dynamical triangulations indico link
日時 : 2019年6月18日(火) 16:30~
場所 : F205(理学部F棟 第4講義室)
題目 : How to "cool down" Ising model on 2d dynamical triangulations
講演者 :佐藤 勇貴 氏(名古屋大)
概要:The Ising model on 2d dynamical triangulations was originally introduced by Kazakov in 1986, which is a statistical system including gravitational degrees of freedom. This system is known to be critical at the finite temperature and the continuum theory defined around the critical point is the 2d gravity minimally coupled to fermions. We introduce an external parameter to the system, aiming at observing the quantum critical behavior. Tuning the parameter to a certain value the critical temperature reaches absolute zero and the resulting continuum theory at the zero temperature is NOT the 2d gravity minimally coupled to fermions. As it turns out, physics at the zero-temperature may differ depending on the "cool down speed". The talk will be based on the work with Tomo Tanaka (Phys.Rev. D98 (2018) no.2, 026026) and the work in progress with Jan Ambjorn.
重力波観測実験及び加速器実験による拡張ヒッグス模型の検証 indico link
日時 : 2019年6月4日(火) 16:30~
場所 : F205(理学部F棟 第4講義室)
題目 : 重力波観測実験及び加速器実験による拡張ヒッグス模型の検証
講演者 :端野克哉氏(大阪大学)
概要:加速器実験によりヒッグス粒子が発見された事で、標準模型で予言されていた素粒子が 全て発見されたが、標準模型の枠内で説明できない現象が既に確認されており、模型の 拡張が必要である。拡張模型の一つとして、未だに不明瞭であるヒッグスセクターを拡張した、 拡張ヒッグス模型がある。ヒッグス結合は将来的に加速器実験により精密に測定されるため、 この拡張模型は検証できる可能性がある。一方で、将来の重力波観測実験による電弱 相転移に関する重力波の測定でも、拡張ヒッグス模型に含まれるパラメータの情報を抜き 出せる事が知られている。本講演では標準模型に新たにスカラー場を加えた拡張ヒッグス模型に 注目し、加速器実験と重力波観測実験による相補的な模型の検証可能性について議論する。
データ解析の数学的手法が描く正準テンソル模型の時空概念 indico link
日時 : 2019年5月21日(火) 16:30~
場所 : F203(理学部F棟 第2講義室)
題目 : データ解析の数学的手法が描く正準テンソル模型の時空概念
講演者 :笹倉直樹氏(基研)
概要:正準テンソル模型はテンソルを配位変数とし、その波動関数はテンソルの値がリー群の対称性を持つところでピークを持つという興味深い性質を持つ。正準テンソル模型を量子重力の模型として解釈し、それらのピークをリー群の対称性を持つ時空が確率的に好まれるという物理として解釈するには、テンソルと空間との対応関係を構成することが必要である。この講演では、データ解析の数学的手法を使って、実対称3階テンソルと距離計量を持つ空間との対応関係を構成する。具体的には、テンソルのランク分解(CP分解)により点と局所位相を定義して位相空間を求め、さらにその空間上のラプラス作用素を定義して距離を決定する。この方法を正準テンソル模型に応用し、一様球面+時間という設定において、正準テンソル模型のテンソルの古典的運動方程式が、スカラー場を伴う一般相対論の運動方程式と一致することをみる。
Search for charged lepton flavor violation using nucleus indico link
日時 : 2019年5月14日(火) 16:30~
場所 : F203(理学部F棟 第2講義室)
題目 : Search for charged lepton flavor violation using nucleus
講演者 : 山中真人氏(NITEP)
概要:荷電レプトンフレーバーの破れ(charged lepton flavor violation; CLFV) は標準理論を超える新物理の証拠となる。CLFV探索は新粒子を直接確認でき るものではない。いくつものCLFV過程の検証を組み合わせ、新模型の姿を 切り出す必要がある。言い換えると、新しいCLFV過程が考案されることで、 新物理をより高精度に、そして、これまでとは異なる角度から検証すること ができる。本講演では、原子核を利用したCLFV探索に注目する。はじめに、 理論計算の不定性を含め、ミューオン-電子転換が現在、そして、近未来に もたらす新物理検証能力を示す。次に、我々が考案した新たなCLFV過程を 紹介し、CLFV検証に対するその潜在能力を論じる。時間が許せば、タウフレ ーバー非保存相互作用の検証過程として有力視されるレプトン-原子核散乱に 対する重要な素過程の導入、及び、散乱断面積の高精度定式化について説明する。